単身赴任で母に優しくなった父
父と母は、私が小学生5年生のあたりから、仲が悪く、一時は喧嘩の絶えない両親を見て「離婚して」とお願いをした事もありました。
今でもとても辛い思いでです。
このまま暗い家庭が続くのかと諦めていた時、父が栃木に転勤する事が決まりました。
この時は「これで静かになる。きっと、2人の関係は終わるのだろう。」と思っていました。
しかし実際には、月日が経つにつれて、母と父の関係が良くなっていったのです。
それまでは、何日も家に帰って来ない日が続いたり、土日も家にいないことや、酔っぱらってかえって来たりする事が多かったのですが、転勤してからは、ガラリと変わりました。
毎週金曜日は仕事から直帰。土日を家でくつろぎ、日曜の午後に会社寮に帰るという生活スタイルに父が変わって行ったのです。
父は、母に色々と任せきりになっていた事を実感したようで、本当においしそうに母の作った料理を食べていた姿を見て、嬉しくなったのを覚えています。
父の転勤生活は2年続きました。
現在は東京の本社に戻り、転勤前の様に働いています。
ですが、以前のような事は起きていません。
全てが父の転勤を機に良い方向へと変わったのです。
今はあの時の転勤に家族全員、とても感謝しています。